第25回 離婚相談
暴力を振るう元夫との面会交流を中止したいが可能?
離婚カウンセラーの
ミライです。
面会交流は、子どもにとってメリットがあると考えられています。
両親から愛情を受けていると感じることで、心の健全な生育が期待できるのです。
しかし、面会交流時に暴力を振るった場合、面会交流を続ける意味があるのでしょうか。
今回の相談者は、面会交流時に元夫から暴力を振るわれた奥さまです。
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≪相談の背景≫
面会交流で元夫は暴力をふるってきた…
夫A氏(40代)
会社員
(相談者)※離婚済
妻Bさん(30代)
派遣社員
7歳(長男)
小学生
今日、離婚後初めての面会交流だった。
離婚した元夫とも1年ぶりに会った。
元夫と会う前、私は楽しみでもあった。
少しは変わってくれるかと期待していた。
暴力から卒業してくれたら良いな。
期待を胸に会いに行った。
だが、期待は裏切られた。
私たちに、何があったのか―――
元夫と知り合ったのは、ちょうど10年前だった。
当時20代後半だった私は焦っていた。
周りはどんどん結婚していく中、私は彼氏と別れたばかりだったのだ。
彼氏のいない女友達同士集まって、毎週飲み歩いていた。
群れて飲んで過ごすことで、寂しさを紛らわせていたのだ。
ある週末の土曜、女友達と恵比寿の居酒屋で飲んでいた。
すると、少し年上の男性3人のグループが隣の席に座った。
その男性グループは、隣の席に座るなり話しかけてきた。
私は女友達とゆっくり話したかったので適当にあしらっていた。
だが、一緒にいた女友達はやけに反応が良い。
女友達は、男性グループの1人がタイプだった様だ。
私は、女友達をサポートするためその男性グループと話を盛り上げた。
彼らは、恵比寿の会社に勤めるサラリーマンだった。
オシャレで落ち着いていて、話をしていて楽しかった。
いつの間にか、私も楽しくなっていた。
結局、その男性グループとは終電まで話していた。
そして、また食事会をしようということで電話番号を交換した。
次の日の夕方、男性グループの一人から電話がかかってきた。
何か用事かな?
忘れものでもしたのかな?
私は、気になって電話に出た。
だが、その男性は私に昨日のお礼を言うためだけに電話をしたと言った。
私の中で、その男性の好感度が大きく上がった。
そのまま私たちは、1時間ほど話続けた。
その男性と電話していると、あっと言う間に時間が過ぎた。
私たちは、その後2人きりでデートをした。
そして、3回目のデートで交際を始めた。
その男性こそ、のちに結婚することになる元夫だ。
交際時、元夫はとても優しかった。
細かいところにも気が効いた。
私が遅刻しても全く怒ったりしなかった。
レストランで店員が注文を間違えても笑顔で答えていた。
ドライブで渋滞に巻き込まれても、気を荒げることもなかった。
そんな姿を見ていたので、夫からプロポースを受けた時、断る理由など無かった。
だが、結婚してから夫は人が変わった。
同居を初めて1カ月後のことだった。
私が会社の忘年会で深夜1時に帰ってきた。
もちろん、遅くなることは事前に伝えてあった。
帰ってきた私を見るなり、元夫は顔を真っ赤にして玄関先で叫んだ。
元夫
「なんでこんなに遅いんだ!?
もっと早く帰って来いよ!」
私は、前日に会社の忘年会で帰宅が終電近くになると伝えていた。
元夫は「分かった」と言ってくれていた。
そのため、元夫の怒り狂う姿を見て私は驚くしかなかった。
今まで見たことも無いような姿だった。
机や床をバンバン叩いて怒鳴る。
雑誌や本を壁に向かって投げつける。
元夫の怒りは、10分ほどで収まった。
だが、私は怒り狂う元夫を見て恐怖を感じた。
その後も元夫は激高することもあったが、なんとか夫婦生活を送り続けた。
そして、結婚して3年後に長男を授かった。
長男が生まれてから、私は夫が落ち着くのを期待した。
しかし、以前にもましてひどくなった。
私に暴力を振るうようになったのはこの頃だ。
始めは、軽く頭を叩いてくるほどだった。
だが、次第に私をたたく力が強くなっていった。
この頃から、私は離婚を意識し始めた。
そして、長男が生まれて5年が経過した時だった。
元夫に髪を捕まれて、引きずり回される事件があった。
私は痛みに耐えながら、離婚を完全に決意した。
迷いから決意に変わった瞬間だった。
その事件の数日後、私は長男を連れて家を出た。
話し合いは調停までもつれこんだが、別居1年後に離婚が成立した。
離婚の条件で、夫は面会交流を求めた。
私は、強く拒否を主張した。
できれば二度と会いたくなかったからだ。
だが、調停委員が面会交流の実施を強く勧めていた。
そして、『面会交流は両親から愛を受ける機会』という言葉を信じて、面会交流を行うことに合意した。
離婚して1年後、初めての面会交流が行われた。
場所は、私の実家近くの渋谷区内の公園だ。
離婚して、元夫は変わったのか。
もう暴力は振るったりしないだろうか。
いろんな考えが頭を巡った。
私は、もやもやした気持ちのまま面会交流の場所に向かった。
面会交流の最初の45分は、楽しい雰囲気だった。
久しぶりに子どもに会った元夫は、とても笑顔だった。
息子も久しぶりにお父さんに会えてうれしそうだ。
だが、次回の日時を決めるときに言い争ったが始まった。
元夫は、来週も会いたいと言い出した。
だが、面会交流の条件では次回は来月だ。
面会は月に一度と決まっていると何度説明しても、元夫は聞く耳を持たない。
一方的に自分の要求を押し通そうとする。
その時だった。
元夫は私の頬を2度叩いた。
それだけではない。
止めに入った長男も投げ飛ばした。
周りにいた人が止めに入ってくれたので、元夫の暴力はそこで止まった。
家に帰っても、私は恐怖で体が震えていた。
元夫はまた暴力を振るってきた。
力で制しようとしてきた。
結局、元夫は変わっていなかった。
あの人は、一生暴力を振るって生きていくのかな…。
だが、問題は終わってない。
来月、2回目の面会交流が控えているのだ。
私は、暴力を振るう元夫に会いたくない。
また言い争いになったら、絶対に暴力を振るうだろう。
子どもも父親(元夫)に会うことを嫌がっている。
久しぶりに会ったのに、投げ飛ばされて泣いていたからだ。
面会交流の重要さは分かっているつもりだ。
子どもにとって、父親に会う重要さは認識している。
だが、暴力を振るわれるかもしれないという恐怖を抱えてまで行うべきなのか?
既に息子は、また投げ飛ばされるかもしれないということで、面会交流の近づくにつれて急に泣き出したりしている。
こんな状態でも面会交流をしなければならないの!?
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≪離婚相談の内容≫
暴力があった場合、面会交流の中止できる!
離婚した元夫A氏と子どもの面会交流が始まった。
だが、初回の面会交流で元夫は妻Bさんと子どもに暴力をふるった。
子どもは元夫の怯えているため、妻Bさんは面会交流を中止したいと思っている。
せっかくの面会交流を、元旦那さまが台無しにしたのですね。
元旦那さまは、結婚生活を送っていた時からも暴力やDVがひどかったのですか?
交際時は、とても優しい男性でした。
しかし結婚してから段々と本性を出してきました。
モノに当たるのはもちろんで、私や子どもへの直接の暴力もよくありました。
色々悩んだ挙句、暴力がきっかけで離婚を決意しました。
妻子への暴力や虐待は、離婚も含めた早めの解決が最善だと思います。
暴力やDVが表面化した時というのは、事件になる様な取り返しのつかない状態になっていることも多いです。
離婚は大正解だったと思っています。もし離婚していなかったら、ずっと暴力に悩まされていたでしょうし、子どもにはもっとひどい虐待が起きていたと思います。
ただ、離婚調停では面会交流は強く推奨されたので、しぶしぶ認めてしまいました。
両親から愛情を受ける大切さには、私自身も納得です。
裁判所の意見が強かったのですね。
それでも面会交流は断っておいた方が良かったかもしれません。
たった一時間の面会交流であんな暴力を振るうなんて。
元夫は、全く変わっていなくて残念です。
そもそも、できるだけ連絡を取りたくないのですが。
しかし、子どもがいると離婚後も連絡を取り合わなければならないので、みなさん苦労されていませんか?
離婚する夫婦のほとんどは、今後の人生において相手との関わりたくないと考えています。
ただ、養育費や面会交流で”顔も見たくない”元夫・元妻と連絡を取り合うことに辟易されておられます。
特に母親さんは、元夫に対する拒絶反応が強い傾向があります。。
ただ、少なくとも、養育費や面会交流などの問題が離婚後も数年〜10数年に渡って続きます。
特に、面会交流では必然的に相手に会わざるをえません。
ホント、そうですよね!
子どもがいると、どんなにイヤでも連絡を取らざるを得ません。
面会交流で会う時の連絡もそうですが、養育費が遅れている時も催促するのはホント面倒です。
私以外にも、面会交流時に相手からの暴力で悩んでいる人って他にもいると思いますが、暴力を受けてまで面会交流を続けたくないです。私から面会交流の中止を求めた場合、認められないでしょうか?
裁判所や調停委員が面会交流を勧めると言っても、暴力やDVがある場合は基本認めません。
Bさんの場合、元旦那さまは面会交流において元妻Bさんと子どもに暴力を振るいました。
結論としては、Bさんからの面会交流の中断は認められる可能性があります。
似た状況での過去の判例を紹介します。
判例の紹介
東京家庭裁判所 |
---|
平成13年6月5日 |
家裁月報54巻1号79項 |
夫には、妻子に対する暴力DVのために接近禁止の仮処分が出ていたが、妻子の所在を探し続けた。
そんな時、夫が面会交流を申し立てた。
東京家裁は、 |
東京家庭裁判所 |
---|
平成14年5月21日 |
家裁月報54巻11号77項 |
夫の暴力が原因で、妻は子どもを連れて家を出て、母子支援施設に入らざるを得なかった。
東京家裁は、 |
今後について
面会交流は、健全な心の成長を目指すものなので、会うたびに暴力の危険がある場合は面会交流の意義があるとは言えません。
暴力が続いている場合に面会交流が認められないのは当然ですが、暴力が止んでいても十分反省していない場合や、子どもが怯えている場合には面会交流は認められない傾向があります。
今の様な夫の暴力を振るう様な状況では、面会交流には反対です。
しかし、将来元夫が暴力をしないようになれば認めても良いと思っています。子どもたちにとって、父親という存在はとても大事でしょうから。
ただ、『元夫がもう暴力をしないだろう』と判断する方法は何かないでしょうか?今回も、『もう暴力は振るわない』と言っていたにも関わらず、振るったのですから。
将来的に面会交流が認められるには、元旦那さまが暴力やDVについて心理的な治療を受けたり専門家によるセミナー等に参加して反省の態度を示す事などが、判断材料となり得ます。さらに、十分な時間が経過して子どもが父親による暴力やDVの恐怖が十分に和らぐといった条件も必要でしょう。
元旦那さまが十分反省しており、時間が経過しても、再開当初は手紙やテレビ電話でのやり取りといった間接的な面会交流から始めるのが良いのではないでしょうか?そこで大丈夫そうなら、再び直接会うと言う流れにするのがスムーズだと思います。
なるほど。
暴力行為からの卒業は、元夫のこれからに期待しなければならないですね。
もし今後、元夫が子供に会うためにどうすれば良いか相談して来たら、ミライさんのアドバイスを参考にさせていただきます。
もちろん、元夫がちゃんと反省したかはきっちり見て判断します。
もうこれ以上、子どもたちが暴力を振るわれるのは見たくありませんから。
頑張ってください!
応援しています!
暴力やDVがある場合、面会交流はまず認められない!
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