第24回 離婚相談
子どもに会わせてくれない場合、損害賠償請求はできる?

 

離婚カウンセラーの
ミライです。


 

面会交流が決まっていても、父親と母親の間にはわだかまりが残されていることが多いです。
特に、親権者が母親の場合は元夫への拒絶感が強い場合が多く、面会交流が実施されないことが多いです。

 

今回の相談者は、離婚時に面会交流を取り決めたが、直近3年間は子どもに会えていない男性です。

 

あなたの悩みはどれですか?

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≪相談の背景≫
元妻が面会交流を毎回キャンセルしてくる…

背景を飛ばして相談内容を見る>>

家族構成

イラスト_男性40代

 

(相談者)
夫A氏(40代)
会社員

 

 

イラスト_女性40代

 

※離婚済み
妻Bさん(40代)
派遣社員

 

イラスト_男の子

※母と同居
8歳(長男)
小学生

 

イラスト_男の子

※母と同居
6歳(次男)
小学生

 

 

はぁ。
今月もダメか…。

 

 

元妻からのメールを見て、ため息が出た。
来月の面会交流も、キャンセルというのだ。

 

 

俺が、面会交流をどれほど楽しみにしているのか。
キャンセルにどれだけショックを受けているか。

 

 

最近毎回これだ。
もう3年も子どもに会えていない。

 

 

なんとかならないものか…。

 

男性24_悩み6

 

俺は、バツイチ男。
妻とは性格の不一致が原因で、3年前に離婚した。

 

 

子どもは2人いた。
元気でカワイイ男の子だ。

 

 

親権はお互い主張したが、世間の流れから母親である元妻が子供たちを育てていくことになった。

 

 

寂しいが、合意するしかなかった…。

 

 

親権は元妻となったものの、面会交流は設定した。
俺は、月1回子どもたちに会えることで納得した。

 

 

だが、俺は離婚後に子どもに会っていない。
いや、正確には会わせてもらえてないのだ。

 

 

子どもたちは、今はもう小学生だ。
元気いっぱいで遊びまわっているだろう。
俺に似てワンパクに育っているだろう。

 

 

今はどうやって過ごしているのか。
会いたい。子どもたちに会いたい。

 

 

俺は諦めずに、面会交流の日が近づいては元妻にメールをしていた。

 

 

そして、明日は第2土曜日。
本来ならば、子どもたちとの面会交流の日だ。

 

 

俺は、場所と時間の確認のために元妻にメールした。
期待に胸を膨らませてメールした。

 

 

だが、帰ってきた返事は”いつも通り”だった。

 

 

元妻
「子どもが風邪引いたので、今回の面会交流は無しで」

 

男性24_悩み1

 

はぁ。
今月もか…。

 

 

毎回これだ。
妻は、何かと理由をつけて子どもたちに会わせてくれない。

 

 

元妻のメールの内容はほぼ決まっている。

 

 

「長男が風邪を引いた」
「次男が熱を出した」
「もうすぐ習い事の発表がある」
「明日のスポーツ大会に出る」
「宿題が終わっていない」

 

 

だいたい、これらの文言の使いまわしだ。

 

 

俺は、ちゃんとした理由があるなら聞き入れるつもりだ。
何も、会うことに執着しているわけでもない。
だが、毎回断られ続けては、もはや信じられない。

 

 

そして、何よりも許せないのは、代替日の提案も無い事だ。
翌週などに振り替えてくれたら、俺も都合を合わせようと思う。

 

 

俺から代替日を提案しても、何かと理由を付けて断ってくる。
そして何度かメールを送ると、無視して返信をしてこないのだ。

 

 

俺は、決められた面会交流をしたいだけだ。
なにも、無理を言っているわけではない。
それに、養育費もきちんと支払っている。
一度たりとも、滞納したことは無い。

 

 

また、面会交流が中断される様なことはしていない。
暴力やDVやモラハラなどは無縁だ。
勝手に会いに行ったり、連れまわしたりもしていない。
純粋に面会交流をしている自信はある。

 

 

それでも会えないなんて。
なんでこんな目に合わなければならないんだ。
子どもたちに会えなくて、心が狂いそうだ。

 

 

もう3年も会ってないので、子どもたちは俺の事を赤の他人だと思ってるんじゃないか。
俺のことなんて完全に忘れてるんじゃないか。

 

 

俺も、きちんとした理由なら理解する。
しかし、3年も約束をないがしろにされたら限界がある。

 

 

このままでは、子どもたちに一生会えないかもしれない。
自分の子どもたちに会えなくなるなんて、想像するだけで吐き気がする。

 

 

もうこれ以上我慢するなんて無理だ。
この精神的ショックは、もはや説明できないくらい大きい。

 

 

そうだ。
元妻に対して、損害賠償を請求できないか?
損害賠償が認められたら、少しは反省して面会交流を再開してくれるだろう。

 

もちろん、本気でお金が欲しいわけではない。
子どもに会いたいだけだ。

 

 

このまま何もしなければ、一生子どもたちに会わせてもらえそうにない。
だから、少し強硬な手段に出ざるを得ないのだ。

 

 

子どもたちに会えるならこんなことはしない。
会わせてもらえるのなら、損害賠償を取り下げる準備はある。

 

 

だが、そもそも面会交流が実施されないだけで、損害賠償が認められるのだろうか?

男性24_悩み5

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≪離婚相談の内容≫
面会交流を中止し続ける元妻には損害賠償請求できる!

背景の要約

夫A氏と元妻Bさんは3年前に離婚し、元妻が親権者となった。
面会交流は月1回の予定だが、元妻が理由をつけて子どもに会わせない。
限界までショックが積もった元夫A氏は、元妻に対して損害賠償請求を検討している。

<<戻って相談の背景を見る

 

 

離婚後、1度も面会交流は行われていないのですか?


 

 

 

 

 

はい、一度も面会交流していません。
そして、子どもたちに一切会えずに3年が経ちました。


 

 

離婚条件では面会交流を定めていますよね。
面会交流を決めるときは、すんなり決まりましたか?


 

 

 

 

 

うーん。
元妻は、最初は面会交流をしたくないと言っていました。
しかし、私は面会交流にこだわりましたので、最終的には離婚条件に盛り込みました。

 

今思うと、元妻は、離婚さえできれば子どもたちを私に会わせるつもりは元々無かったのかもしれません。


 

 

子どもたちの写真や動画なども見ていないのですか?
テレビ電話(スカイプなど)という方法で会っている人もいますが。


 

 

 

 

 

写真も動画も要求しましたが、無視されています。
テレビ電話も提案しましたが、『子どもたちが緊張するから』という訳分からない理由で断られました。


 

 

どうして、元妻は子どもに会わせてくれないのでしょうか?


 

 

女性は、離婚後は元夫との接触を避けようとする傾向があります。
男性脳では理解できないかもしれませんが、女性が一度”キライ”という烙印を押すと、徹底的に拒絶するのです。

 

離婚するくらいですので、元妻さんは元夫であるAさんを拒絶対象にしてしまったのかもしれません。だからと言って、子どもたちを会わせないのはどうかと思いますが。


 

 

 

 

 

もう、気が狂いそうです。

 

妻には、反省を促すためにも損害賠償請求をしようと思っています。
お金を取るためというより反省を促すのが目的ですが、訴えは認められますか?


 

 

結論から言いますと、面会交流が行われない精神的ショックでの損害賠償請求は認められる可能性があります。

 

似た状況での過去の判例を紹介します。


判例の紹介

判例@

横浜地方裁判所

平成21年7月8日

家裁月報63巻3号95項

(控訴審)東京高等裁判所

昭和22年3月3日

家裁月報63巻3号116項

離婚後、母親が親権者となった。
母親は、父親との面会交流を一方的に中止し、父親からのプレゼントを送り返すなどした。

 

父親は、母親による面会交流の中断によって精神的損害による慰謝料請求を申し立てた。

 

裁判所は、
・母が面会交流を行わないことが原因で、子どもが父親に会うことへの消極的な心理が形成された
・その事が原因で、面会交流が困難な状態となる結果を生じさせた
として、監護親である母親に70万円の支払いを命じた。

 

母親は東京高裁に控訴したが、棄却された。

判例A

静岡地方裁判所

平成11年12月21日

判例時報1713号92項

離婚時、親権者は母親とし、面会交流は月2回・各2時間程度として場所・方法は協議で決める、と合意していた。
しかし、母親が面会交流を拒否し、家庭裁判所による面会交流の実施の命令にも従わなかったので、父親は慰謝料を請求した。

 

静岡地裁は、
・母親が面会交流を中断したのは、父親の愛情に基づく自然の行為を妨害した不法行為
と認定し、母親に対して500万円の慰謝料の支払いを命じた。

 
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今後について

 

なるほど。
過去、損害賠償請求が認められたのですね。
さっそく訴えてやろうと思います!

 

いまに見ておけよ!元妻!


 

 

待って下さい、Aさん。

 

Aさんの一番の目的は、『裁判してお金を取ること』ですか?
それとも、『子どもに会うこと』ですか?


 

 

もちろん、『子どもに会うこと』です。
ですが、会えないので訴えるしかないと思っています。


 

 

それに、訴えるなどしたら、元妻さんはますます心を閉ざしてしまいますよ!
そうなったら、子どもに会える機会はさらに遠ざかりますよ!

 

訴えるのは最終手段です。


 

 

・・・。

 

じゃあ、どうすれば良いのですか?


 

 

子どもが父親であるAさんに会うメリットを、元妻さんに伝えてみてはどうでしょうか?

 

今、お子さんは7歳ですよね?
ちょうど、お父さんと遊びたい盛りですよ。

 

他の子どもたちが週末お父さんと、キャッチボール、サッカー、ドッジボールなどをしているのを聞いて、お子さんは絶対我慢しているはずです。


 

 

まぁ、今の年頃だとそうでしょうね。


 

 

元妻さんはそんな子どもを見ているはずです。
必ずや、『元夫にあまり会いたくないが、一度は子どもを父親に会わせた方が良いのでは…』と思うはずです。

 

それまでは、父親であるAさんが、
『たまには子どもを父親に会わせた方が、子どもが喜ぶんじゃないか?』
とか
『他の家族と同じ様に、俺が子どもとキャッチボールしようか?』
など、子どもが父親に会うメリットを伝えてあげれば良いのです。


 

 

な、なるほど!!


 

 

法律や権利を前面に出してガンガン行くのは、最終手段です。
むしろ、より元奥さまの拒絶感が大きくなる可能性が高いでしょう。

 

それよりも、広い心で受け止めてみてはどうでしょうか?
父親としてドンと構えていれば、元妻さんから『子どもに会ってくれませんか?』と言ってくるかもしれませんよ。


 

 

確かにそうですね!
今まで、自分の権利ばかりを主張しすぎていました。

 

これからは、子どもや元妻を思いやる気持ちを持とうと思います。


 

 

頑張って下さい!
応援しています!


 

まとめ

面会交流が何度も中断された場合、慰謝料の請求は認められる可能性あり!
本当に子どもに会いたいなら、母親が子どもを会わせたくなる様な言動を心がけよう!

 

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