第17回 離婚相談
1億円遺産相続した直後に離婚すると半分渡すの?
離婚カウンセラーの
ミライです。
離婚時に、婚姻中に増えた資産を分ける事を財産分与と言います。
財産と言ってもその蓄えた方法は様々です。
給与から貯金、株式等の投資、事業での成功、遺産など。
今回の相談者は、親から1億円を相続した直後に妻から離婚請求され、財産分与で悩んでいる旦那さまです。
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≪相談の背景≫
俺が1億円を相続した直後、妻から離婚を切り出された…
(相談者)
夫A氏(40代)
会社員
妻Bさん(40代)
専業主婦
22歳(長男)
大学生
20歳(次男)
大学生
俺は40代後半。
戦後の第2次ベビーブームに生まれた。
いわゆる、団塊ジュニア世代と呼ばれている。
おおむね1970年代に生まれ、これからの日本を担う者と期待されて育った。
だが、1学年200万人もの団塊の世代を受け入れる程、社会の基盤は整っていなかった。
1990年代の受験戦争は熾烈を極めた。
大学卒業後もまだバブル崩壊の爪痕は深く、就職氷河期と言われる時代を迎えた。
2000年代になっても、俺たち団塊ジュニアの不遇は終わらない。
アジア通貨危機や長引く不況で、裕福とは程遠い生活を送る。
一つ上の世代がバブルを謳歌したのとは違い、華やかな時代を知らずに生きてきた。
もちろん、それ以降の小泉景気やアベノミクスで、今までの苦労が報われる者も出てきた。だが、それはある程度資産を持っていた者がさらに増やしただけで、俺達庶民にとっては別世界の出来事だった。
だが、東京オリンピックから始まる2020年代。
俺たち団塊ジュニア世代には、大きな額の資産が入ってこようとしている。
それは、遺産相続。
親世代の第1次ベビーブームはもう70代〜80代。
そろそろ、親の世代が寿命を迎え始めた。
団塊世代のほとんどの者は住宅ローンは残っていない。
したがって、土地・建物がそのまま遺産となる。
さらに、彼らの中には戦後の高成長でうまく資産を増やした者もいるのだ。
俺は、一足先に団塊の世代である両親の遺産を相続した。
相続税を差し引いて受け取った金額は、なんと1億円。
両親が住んでいた都内の住宅と、父親が偶然持っていた株式が大きく値上がりしたのが要因だった。
だが、普段は、会社からの給料手取り35万円で生活する毎日。
1億円を相続したものの、どうすれば良いかわからなかった。
また、何かあった時のために、一切手を付けずにいた。
だが、その節約精神に妻が不満を持った。
俺と妻Bさんは、それぞれ20代半ばの時に結婚した。
だが、20代だった俺たちは贅沢とは程遠い生活だった。
住居は、築古木造アパート。
食事は、常に家庭料理で外食は3ヶ月に1度程度。
30歳になっても不景気で給料は上がらない。
40代になってやっと給料が上がってきた頃には、息子2人は大学生になっており学費の支払いで精いっぱいだった。
俺たちは、貧乏な方ではなかった。
だが、裕福な生活には程遠かった。
旅行と言えば、2,3年に1度の国内旅行するくらい。
ヴィトンやグッチといったブランド物なんて、触れたこともない。
そんな俺に遺産で1億円入った時、妻はとても喜んでいた。
笑顔を浮かべながら笑っていた。
これで、多少はゆとりができる。
今までの苦労が報われる。
20年乗っている古い車を買い替えられる。
新宿や銀座のデパートで、オシャレでキレイな服を買える。
初めてヨーロッパなどの海外旅行に行けるかもしれない。
今まで苦労した分、多少の贅沢は許されると思っていたのだろう。
確かに、お金さえあれば様々な希望がかなう。
だが、俺は遺産を使おうとはしなかった。
ヨーロッパとかの海外は、別の世界と割り切っている。
ブランド物も欲しいと思ったことすらない。
俺にとって、今までの節約生活で見た世界が全てなのだ。
1億円持っているとはいえ、使ってみようという考えにはなれなかった。
妻は、期待していた分、気持ちはとても落ち込んでいた。
今まで苦労してきたから、少しくらいいいじゃないかという気持ちがあったのだろう。
ある時、妻が必死で俺を説得してきた。
今まで贅沢しなかった分、一度くらい人生を楽しませて欲しい。
一度くらいテレビや雑誌でしか見たことがない世界を見てみたい。
だが、俺は首を縦に振ることはなかった。
俺はうんざりして、「そんなこと言う女なんかいらない」とも言った。
俺の言葉を聞いた妻の目元には涙が溜まっていた
翌日の昼、妻が離婚を切り出してきた。
え!?
離婚したいって!?
俺は驚いた!
まさか、離婚だなんて!
妻に理由を聞いてみた。
今まで、苦労ばかりで辛かったと言う。
周りのお母さん友達が海外旅行に行ったと聞いて、うらやましかったらしい。
遺産1億円が入って、旅行に行けると思った。
だが、夫(私)は一生妻に”夢”を見せる気は無いと知って絶望したという。
俺は、最初は戸惑って何も言えなかった。
たが、妻の気持ちが固いと知ると、離婚に応じることも検討した。
だが、離婚するとなると、離婚条件を決めなければならない。
その中で揉めそうなのは、間違いなく財産分与だ。
なぜなら、俺は遺産相続で1億円を持っているからだ。
財産分与では、基本的には婚姻期間中に増えた資産を2人で均等に分けると言う。
そうなると、今持っている1億円のうち、2分の1の5,000円を妻に渡さなければならないのか?
だが、この1億円は遺産でお金だ。
夫婦で協力して蓄えた資産ではない。
それに、そもそも最近の妻の発言が理解できない。
1億円の遺産が入った直後から『ヨーロッパ旅行したい』とか『ブランド物が欲しい』などの贅沢したい様な発言が目立ち始めた。
そして、そんな浪費に反対したら離婚を切り出してきた。
そんな妻なんて、こちらから願い下げだ。
離婚なんてこっちからしたいくらいだ。
もちろん、遺産で得た1億円を財産分与することは納得できない。
だが、実際にどうなるかは素人では分からない。
俺は離婚すると、資産1億円の半分を渡すことになるのだろうか!?
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≪離婚相談の内容≫
遺産相続で得た資産は財産分与の対象外!
相談者夫A氏は、両親からの遺産相続で1億円を相続した。
その直後から、妻は良好やブランド物を夫にねだる様になり、夫が拒否すると離婚を請求してきた。
夫A氏は、離婚すると遺産1億円の半分を財産分与することになるのか悩んでいる。
離婚の話は、遺産相続前からしていたのですか?
奥さまは普段から、喧嘩するなど仲は良くなかったのですか?
離婚の話など、全く無かったです。
遺産を相続する前までは、夫婦仲は普通だったと思います。
常にラブラブという感じではなかったですが、喧嘩なんてほとんどしませんでした。
では、奥さまが離婚を切り出してきた原因として、思いつくことはありますか?
おそらく、遺産で入ったお金を一銭も使おうとしなかったからでしょう。
妻には、昔から苦労をさせてきました。
大した贅沢もできませんでしたし、常に節約生活でした。
すばらしい自己管理力ですね。
大金が入って身を亡ぼしてしまう人も多いのですが。
私自身は自分で制御していましたが、妻が浮き足だってしまったのです。
私が1億円もの遺産を得たことで妻は、旅行やブランド物が手に入ると期待してしまっていた様です。しかし、私には浪費にしか見えなかったので、一銭も使いませんでした。そのことが、妻にとっては大きく不満だったのでしょう。
妻は、離婚して私の遺産1億円のいくらかを受け取ることができれば、自由に使えると考えているような気がします。そんなことでお金を得て浪費するなんて、身を亡ぼすだけなのに、本人はそのことに気ついていないのです。
なるほど。
いま、Aさんとしては、離婚は納得だが財産分与で遺産を半分渡すのかが不安なのですね?
まさにその通りです。
私が遺産で得たお金を自分の浪費に使おうと勝手に期待していた妻とは、もはや離婚しかないでしょう。
しかし、離婚となると財産を分けなければならないですよね。離婚する際には貯金は財産分与で分けなければならないですよね。妻には、私が遺産で得た1億円の半分を、分け与えることになるのでしょうか?
原則として、離婚時に財産分与の対象となるのは、夫婦で協力して形成した財産に限られます。入籍時から別居時までに増えた貯蓄が財産分与の対象となります。一方、独身時代に貯めた貯金や相続での遺産は、夫婦で協力して形成した財産ではないため財産分与の対象にはなりません。
奥さまの場合は、遺産相続で得たお金なので基本的には財産分与の対象にはなりません。
なるほど。
遺産相続で得た資産は、基本的には財産分与の対象にはならないのですね。
それを聞いて安心しました。
一つ疑問なのですが、一方の親から夫婦に対して定期的に援助があった場合などはどうなるのですか?その様なお金は財産分与の対象と見なされるのですか?
例えば、生活費のとして毎月数万円ずつお金が援助されていた場合は、夫婦に対しての援助(贈与)だと捉えられます。このようなケースでは、共有財産と判断される可能性もあるでしょう。
なるほど。
遺産相続なので財産分与にはならないですね。
これで、安心しました。
ありがとうございます!
今後について
ひとつお伺いしたいのですが、Aさんは普段の奥さまに不満があって離婚したいですか?
それとも、浪費を言い出した奥さまに嫌気がさして離婚したいのですか?
後者ですね。
お金にがめつい姿を見て、ドン引きしました。
それなら、離婚を決めるのは早いと思いますよ。
えっ!?
どういうことですか?
妻から離婚を要求してきているのですよ。
いえ、お話をお伺いするにやり直せる余地は多分にあります。
今まで長い間奥さまはAさんを支えてきたのでしょう。
別に旅行やブランド物など高価な物ではなくて良いです!
奥さまとしては、Aさんからの感謝の気持ちが欲しいだけかもしれませんよ。
なるほど…。
確かに、妻には苦労ばかり掛けてきました。
周りの家族よりも、ひもじい思いをさせてきたかもしれません。
妻が私におねだりしてきたのは、物が欲しいと言うよりも今までの苦労をねぎらって欲しいという気持ちの表れだったのですね。
そうです。
女性は、言葉を待っているのです。
もう20年以上家内と共に生活してきたのに、私は妻の気持ちに気付けていませんでした。
頑張ってきた妻の気持ちも理解せず、離婚してしまうところでした。
ホント、俺ってバカな男でした。
うちに帰ったら、できる範囲の中で妻に感謝の気持ちを伝えようと思います。
銀座か新宿のデパートか。
週末、妻と一度行ってみるかな!
頑張ってくださいね!
応援しています!
親からの相続した遺産は、財産分与の対象とはならない!
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ヤマト氏は、離婚調停を10回も行いました!
・弁護士や調停委員との実際の会話内容
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