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不倫慰謝料の正しい知識とは!?
- 夫A氏は、40代前半の会社員。
- 妻Bさんは、30代半ばの専業主婦。(相談者)
- 子どもは、1歳の娘が一人。
最近、妻Bさんには一つ気になることがある。
夫A氏の帰宅時間が、産休前に比べてだいぶ遅くなっているのだ。
以前は夜7時には帰宅していた。
しかし、最近は夜11時台に帰ってくる。
週末は終電での帰宅だ。
夫は、仕事が忙しくなったと言っている。
だが、夫はすでに出世コースから外れて窓際族街道まっしぐらだ。
そのため、そんなに遅くまでする仕事なんて無いはずだ。
ある日、どうしても気になって夫の携帯をのぞき見た。
すると、とある女性と頻繁にやり取りした。
その内容を読んで、妻Bさんは全てを知った。
夫A氏は不倫していたのだ。
どうやら、妻Bさんが出産で実家に帰省している時に出会った女性らしい。
妻Bさんが出産・育児で大変な間、夫A氏は堂々と不倫していた。
妻が出産時に夫が不倫することは、世間では多いと聞く。
しかし、まさか私の夫が…。
いま妻Bさんは、夫A氏と離婚するかどうかを考えている。
まだ夫A氏には不倫を知ったことを言っていない。
今は夫をあえて泳がせて、不倫の証拠を集めているところだ。
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慰謝料は精神的苦痛に対する損害賠償だ
慰謝料は、夫(または妻)の不倫や暴力によって婚姻生活が破綻してしまった精神的苦痛に対する損害賠償です。これらの不法行為によって受けた精神的苦痛は、金銭で補填することが法律で決められているのです。
配偶者の不倫が発覚すると場合、配偶者とその不倫相手に慰謝料を請求することができます。
現代の司法では、不法行為の損害賠償は金銭で行うことになっています。つまり、他人から怪我をさせられた場合、その相手を怪我させて良いのではなく、治療費と精神的賠償を、加害者に支払わせる事になっているのです。
慰謝料は、不倫以外でも発生する
慰謝料は、暴力や暴言でも請求できます。その場合、診断書や写真などの記録が証拠となります。
ただし、離婚を巡る慰謝料の争いが発生した場合、そのほとんどは不倫問題です。不倫とは男性がするものという考えをする人もいるかもしれませんが、実際には女性が不倫をしているケースも珍しくはありません。
ここでは不倫の慰謝料の説明をします。
不倫の慰謝料は、不倫当事者の2人に請求可能
夫(または妻)の不倫が発覚して慰謝料請求をする場合、相手が素直に不倫を認めるとは限りません。もし協議や調停での話し合いで認めない場合、慰謝料を得るためには裁判において不貞行為が認められなければなりません。
最終的に不倫が認められると、不倫された側は、不倫の当事者である夫(または妻)とその不倫相手の両方に請求が可能です。請求できる対象は両者であり、一方が支払わない場合や支払いから逃れようとする場合、もう一方に請求できます。
慰謝料の金額は、被害を受けた側の精神的苦痛度、行為の回数や頻度、行為に及んだ動機、年齢、職業、収入、家族関係などから総合的に決められます。
一般的なサラリーマン世帯だと、不倫の慰謝料の金額は100〜200万円程度です。一方、有名スポーツ選手や芸能人などの高所得者の場合には、500万円といった高額になる場合もあります。
【パターン@】不倫が発覚したが離婚しない場合
あなたが女性の場合、夫の不倫が発覚したからといってすぐに離婚するとは限りません。収入の面から、不倫は許せないが離婚はしないパターンは多くあります。この様に、離婚しない場合でも慰謝料請求することは可能です。
離婚が発覚したが離婚しない場合、不倫慰謝料の請求相手は不倫相手にのみ行う場合が多いです。
その理由は、二つです。
一つ目は、夫に請求しても家族内の資産の増減は無いからです。むしろ、調停や裁判を行うことで手間や時間だけがかかってしまいます。
二つ目は、不倫相手への戒めのためです。
不倫相手は慰謝料請求されることで、二度と夫と会おうとは思わないでしょう。慰謝料を請求して支払わせることや、調停や裁判の場に来させることで、不倫相手に反省を促して夫との関係を断ち切らせることが期待できるのです。
ただし、離婚しない場合は離婚する場合に比べて精神的苦痛が少ないと考えられるので、離婚する場合に比べて慰謝料の金額は少なくなります。
【パターンA】不倫が発覚して離婚する場合
不倫発覚が原因で離婚する場合、夫と不倫相手の両方に請求することが多いです。
離婚するということは、夫とは他人になるということです。したがって、できるだけ多くのお金を受け取ろうとするのは当然の考えです。
また、どちらか一方に請求しても、そもそも支払う能力や意志が無かった場合は金銭を受け取ることができません。
そのため、同時に2名に請求をしておくことで、できるだけ受け取れる可能性を高めることができるのです。
離婚をする場合、離婚条件を離婚契約書や公正証書に記載することになります。その際、不倫した側はお金を支払うことは合意していても、『慰謝料』という名目を記録に残したくない場合があります。
もし、『慰謝料』という名目を設定するかどうかで議論が進まない場合は、『解決金』という名目でお金の授受を約束する場合があります。
不倫で離婚と慰謝料が認められるための2つの条件とは!?
あなたが離婚を請求したとき、配偶者が不倫を認めれば離婚は成立します。しかし、配偶者が不倫を認めない場合は、最終的には裁判で離婚を成立させる必要があります。
裁判になった場合、不倫が原因として離婚成立と慰謝料が認められるには次の2つの条件を証明する必要があります。
- 不倫相手と複数回肉体関係を持った(セックスした)
- 不倫が原因となって夫婦関係が破綻した
@複数回肉体関係を持った
世間一般での不倫の定義は曖昧です。異性と二人きりでの食事を不倫と言う人もいますが、これだけでは離婚事由として不貞行為とは認められません。同様に、キスやスキンシップなども不倫とはなりません。
離婚事由となる不倫は、特定の相手と複数回肉体関係を持つ(セックスした)ことに限定されます。したがって、勢いで一度だけ肉体関係を持ったとしても離婚事由とはならなりません。
A不倫が原因となって夫婦関係が破綻した
もう一つは、不倫が原因となって夫婦関係が破綻した、ということを説明する必要があります。具体的には、配偶者が不倫したことを知って相手が信頼できなくなったので離婚を決意したという様な因果関係のことです。
そのため、すでに別居などで夫婦関係が破綻した後に肉体関係を持った場合は離婚原因としては認められません。元々別居していたことから不倫が夫婦関係の破綻の原因とはなったとは言えないからです。
同じように、離婚協議中や離婚調停中に不倫をしても、それが離婚事由や慰謝料の対象になることはありません。
通常の夫婦生活を営んでいたところ、不倫相手との不倫が原因となって夫婦関係がギクシャクしだして結果的に破綻したなどの場合に、その精神的被害として慰謝料を請求できるのです。
したがって、夫婦が既に別居状態のときに夫が不倫を始めた場合は、不倫関係が夫婦関係の破綻の原因とはなっていません。そのため、妻は不倫相手に慰謝料を請求できません。
あくまで、不倫が原因で夫婦関係が破綻した(悪化した)損害賠償として、慰謝料の請求が可能なのです。
配偶者の不倫相手から慰謝料を得るための3つの条件とは!?
配偶者の不倫が発覚した場合、配偶者の不倫相手にも慰謝料を請求できます。
ただし、配偶者の不倫相手への慰謝料請求が認められるには、次の3つの条件を満たす必要があります。
- 複数回肉体関係を持った(セックスした)
- 不倫が原因で夫婦関係が破綻した
- 不倫相手が夫(妻)を既婚だと知っていた
ここで、@Aは配偶者への離婚請求と慰謝料請求と同じです。ただし、不倫相手へ慰謝料を請求するには、Bも満たさなければならないのです。
B不倫相手が夫(妻)を既婚だと知っていた
配偶者の不倫相手に慰謝料を請求できる3つ目の条件は、不倫相手があなたの配偶者のことを既婚者だと知っていたということです。
例えば、夫の不倫相手が夫の事を未婚だと思っていたら、不倫相手に請求しても慰謝料は認められません。具体的には、夫が嘘をついて不倫相手に未婚だと伝えていた場合などです。
その場合、不倫相手は純粋に恋愛をしていただけで、あなたに精神的苦痛を与える故意も過失も無いからです。
ただし、既婚者だと気付ける状況・環境であれば認められるでしょう。
同じ会社の場合だと、既婚か未婚かどうかは知っていて当然と考えられます。
また、交際関係でありながら毎回終電で解散になっていて宿泊が無かったり、休日は会えなかったり連絡を取れなかったりなど、『夫は実は既婚者かもしれない』と気付ける余地があった場合は、慰謝料の請求が可能です。
つまり、不倫相手が夫の事を完全に未婚者だと信じていて、かつ、既婚者だと疑う余地が無ければ、不倫相手はあなたから夫を奪おうという故意も過失も無いため、慰謝料を請求しても認められないのです。
注意!不倫の慰謝料を請求できない場合とは!?
配偶者の不倫が発覚した時、あなたが決定的な証拠が準備できている場合は、例え裁判を行っても慰謝料は認められます。しかし、不倫が判明しても慰謝料の支払いが認められない場合もあります。どういう場合に慰謝料の支払いが認められいのでしょうか。
慰謝料請求の時効期間を過ぎてしまった!
慰謝料の請求は、その被害を知ってから3年以内です。離婚した場合は、離婚成立から3年以内に請求しなければ時効成立して請求権が消滅してしまいます。
精算条項で双方の債権債務を放棄しようを定めていた
慰謝料の請求は、離婚後に行うこともあります。
ただし、離婚成立時には離婚条件などを離婚契約書(公正証書や調停証書)で定めており、多くの場合は精算条項を定めています。精算条項には、離婚後はお互いに一切の債権債務が存在しないこととしています。そのため、この離婚契約書(公正証書や調停証書)において精算条項について合意していると、それ以降には慰謝料請求ができません。
相手の不倫を知らずに離婚契約書(精算条項有り)に合意した場合です。離婚した場合で、その後に初めて不倫を知った場合は、精算条項が無効となり慰謝料を請求できます。
請求相手の名前と住所が分からない
慰謝料を請求する場合は、相手の名前と住所が分からなければ請求できません。もちろん、それらが分からなければ相手に請求できませんし、例え電話番号やメールアドレスが分かっていても裁判所が相手を探してくれません。慰謝料を請求したい場合は、請求する人が相手を特定する必要があるのです。
不倫相手が知人であれば名前と住所の特定は容易ですが、そうでなければ探偵・興信所等に依頼しなければ特定は困難です。
夫も不倫相手も肉体関係を認めておらず、決定的な証拠も無い
夫も不倫相手も、不倫関係や肉体関係を認めていない場合は、裁判で慰謝料請求する必要があります。ただし、裁判になると決定的な証拠が必要です。
ただし、夫と不倫相手が、複数回にわたって夫と不倫相手が関係を持った証拠を揃えることは至難の業です。2人がラブホテルに出入りする写真や動画を撮る必要があります。
この証拠を準備するには、探偵や興信所に依頼することが最も確実です。
通常の生活をしながら二人を常に尾行するなどまず不可能です。不倫の証拠を一般の人が準備することはかなり難しいのです
不倫慰謝料のまとめ
不倫で慰謝料を得るための条件をもう一度まとめました。
- 不倫相手と複数回肉体関係を持った(セックスした)
- 不倫が原因となって夫婦関係が破綻した
- 複数回肉体関係を持った(セックスした)
- 不倫が原因で夫婦関係が破綻した
- 不倫相手が夫(妻)を既婚だと知っていた
もし、離婚請求や慰謝料請求するなら、決定的な証拠が必要です。
不倫の決定的な証拠が欲しい場合や、配偶者の不倫相手を特定したい場合は、探偵・更新所を検討しましょう。
不倫の慰謝料は、100〜300万円ほどが相場です。
決定的な証拠を準備できれば、離婚が成立するどころか、慰謝料もきちんと得られます。
準備をすることで、あなたの望む結果が期待できるのです。