不倫がバレて家出した妻が婚姻費用を請求してきた！払わないといけない？

あぁ。
なんてこった。
呆れて何も言えない。

先月、妻は子どもを連れて家を出て行った。
きっかけは、妻の不倫が発覚した。

俺は、妻の不倫を戒めた。
すると、なんと逆切れして子どもを連れて家を出ていった。

半年前から、妻の様子がおかしかった。

妊娠発覚後、妻は専業主婦となった。
そのため、子どもを幼稚園に送り届けた後、朝の9時には時間ができる。

だが、夕方までずっと家にいることはあまりない。
ほぼ毎日、どこかに行っているようだった。

最初は、育児の気晴らしが必要だと思っていた。
だが、さすがに頻度が多すぎる。

ある日の帰宅時、どこかから帰ってきた妻と駅でばったり会った。
俺を見た妻は驚いていたが、家まで一緒に帰った。

そして、家に帰ると洗う前の洗濯物が山積みだった。

洗濯物よりも優先することがあるのか？
おかしいというより、怪しい。
この時、俺の中での違和感が確信に変わった。

よく見ると、化粧や服装も少し変わった。
携帯を肌身離さず持ち運ぶようになった。

おかしいと思った俺は、探偵社に依頼することにした。
病気も人間関係も、問題は芽のうちに対処するのが肝心だ。

調査3日目に結果は出た。
妻は、ある男と会っていたのだ。

ある男とラブホテルに入る姿が、バッチリ写真に収められていた。
不倫している完璧な証拠だった。

やはり不倫だったか。
俺が働いている間に、俺を裏切っていたのか。

その後も、調査は継続した。
相手に有無を言わせないためには、複数回の証拠が必要だ。

探偵社の費用はかかったが全く問題ない。
この証拠が有れば、妻か不倫相手から100万円単位の慰謝料を請求できる。

だが、妻と離婚するかどうかはすぐに決められない。
子どもにとっては、両親と一緒に過ごすに越したことがない。
夫婦関係が修復できるようなら、それが一番。

まずは、妻と話し合ってみよう。

その夜、食事を終えた妻に話を切り出した。
妻は、最初は不倫を否定していた。
しかし、興信所の報告書を見せると、取り乱した様に色々話始めた。

不倫相手は、買い物帰りに声をかけてきた人。
都内の会社に勤務する30代後半の独身。

ショッピング帰りでヒマだったのでお茶をした。
それからは、頻繁に会うようになってしまった。
男女の関係になるのに、時間はかからなかった。

俺は、妻を叱った。
結婚して初めて強く叱った。
妻は、黙って泣いていた。

俺は、会話の全てを録音しておいた。
後日に妻の両親に話をしようと思っていた。
その結果を見て、離婚か再構築を決めるつもりだった。

次の日、会社から帰ってくると、妻はいなかった。
子どもを連れて、実家に帰ったようだった。
部屋には、俺のモノだけが残されていた。

俺は、焦った。
そして、すぐに妻に電話した。

もう怒らないから早く帰ってこい。
子どもの声を聞かせて欲しい。

だが、妻からは、『しばらく考えます』とだけ答えた。

それからも、妻には何度か連絡をした。
電話やメールもした。

元気にしているのか？
体調壊していないか？
子どもは幼稚園に通っているのか？

だが、妻からの返事はなかった。

妻は不倫をしていた。
それを知った俺は妻を叱った。
だが、妻は子どもを連れて家出した。

俺は何か間違ったことをしたか。
妻の不倫を叱ることは問題なのか。

俺は、なんとも言えない気持ちになっていた。

妻が帰ってこない。
返事も返してこない。

俺は、抜け殻の様な日々を過ごしていた。

ある日、仕事から帰ってくると、ポストの中に見慣れない封筒が入っていた。
送り主は、〇〇法律事務所となっている。

法律事務所だと！？
おいおい…。妻は弁護士に依頼したのか？

封筒を開けてみると、「通知書」が入っていた。

おそるおそる通知書を読み始めた。
だが、読んでいる途中から、だんだん怒りで手が震えてきた。

妻の主張はこうだ。

ふっ、ふざけるな！！

調べてみると、確かに婚姻費用という制度は存在する。
婚姻関係にある限り、別居すると年収の高い側（主に夫）が妻に生活費を支払うというのだ。

だが、妻は不倫していたのだぞ。
不倫を叱ったことがきっかけで、家を出て行ったのだぞ。

その妻が『婚姻費用を払ってほしい』だと！？
そんな勝手が許されると思っているのか！
そんな理不尽が、まかり通っていいのか！

不倫がバレて出て行った妻にも、
婚姻費用を支払わなければならないのか？